

なぜ日本のビジネスは
国際競争力を失ったか
国際競争力を失ったか
社会学者エズラ・ヴォーゲルが、かの有名な『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を上梓したのが1979年。戦後日本の高度経済成長をリードした企業群は、かつて世界を脅かす存在でした。ソニー、パナソニック、ホンダをはじめ、名だたる日本企業が世界中でヒット商品を飛ばし、テクノロジーで世界を牽引していた時代です。

バブル崩壊後、失われた30年を経て、日本の国力はグローバル経済のなかですっかり後塵を拝しています。その原因は、外貨を獲得できなくなったことにあると私たちは考えます。現在の日本企業にもパーツとして強い産業はありますが、例えばテスラのように、産業構造を根本から変えるパラダイムシフトを世界にもたらしている日本企業は見当たりません。
もう一度、ビジネスの力で日本を輝かせたい。日本の強みを改めて問い直し、日本のアイデンティティを活かして国際競争力のあるビジネスモデルを開発したい。Hedell Groupは日本の強みを再定義するところからスタートし、日本らしさで世界に勝負するビジネスを、ひとつでも多く世に送り出すために活動を続けています。


日本らしさを培ってきた文化資産と文化資本
海外の人々から、日本はどのように映っているのでしょうか。第二次世界大戦で空爆を受けなかった場所は、京都、奈良、金沢の3都市しかなかったといわれています。米国から見て、これらの地域は日本の国土で守らなければいけないアセットだったのです。
日本の強みのひとつは、こうした歴史的価値のある地域が守ってきた「文化資産」にあります。悠久の歴史があり、豊かな風土と四季折々の風景がある。そこに人々の暮らしが根付き、固有の文化として現存している。これほど高度に調和のとれた美しい国は、世界のどこにもありません。世界の人々を惹きつける唯一無二の魅力が、日本には残っているのです。

さらに、こうした文化資産の基盤の上に、日本人が持つ気質や感性といった無形資産、すなわち「文化資本」があります。日々の生活に美しさを見出す感性や、豊かな風土が育んだ強くしなやかな気質は、日本ならではの思考・行動様式として、世界に輸出すべき日本のアイデンティティになると私たちは考えています。

今こそ日本の強みが、ビジネスの価値になる
西洋的な価値観が限界を迎え、二項対立でものごとを考える時代が終焉しようとしている今、あいまいさを許容するしなやかな日本人の気質が、ビジネスとしての価値になります。
例えば、移ろいゆく季節や情緒のはかなさを感じ、自然の脅威に対してあるがままを受容するなかで育まれてきた「もののあはれの精神」は、環境変化に対するレジリエンスとなって、日本人のたくましさを形成してきました。まさに今、変化の激しい時代のなかでビジネスに求められる高度な適応力が、日本人には備わっているのです。

ほかにも、やってみはなれの精神で失敗を許容しながら、より良くするために改善を繰り返す「試行錯誤のものづくり」は、ビジネスをスケーリングさせるうえで必要な、精緻なプロトタイピングを高速で回すアジャイル式のプロセスに最適です。
日本人が美徳としてきた「真善美の調和」もまた、高次元で三位一体のバランスをとるという点で、複雑に入り組んだプロジェクトのタスクやリソース、プロセスの最適解を見出す際に必要な卓越したマネジメント能力として、グローバルに必要とされるスキルです。こうした強みを、ビジネスに活かさない手はありません。

ジャパニーズ・ブリッツスケールを生む
未来創造力
未来創造力
Hedell Groupでは、存在していながら気づかれていなかった日本の強みを再発見・再編集し、国際競争力のあるビジネスモデルへと仕立てます。その際に必要な視座が、まだ見ぬ未来を高解像度で語る「未来創造力」です。IT企業やスタートアップの聖地・シリコンバレーでは、ヒエラルキーのトップに位置するCxOたちはみな共通して、卓越した未来創造力を持っています。
未来創造力を持つことと、自らがその世界を設計することは別物です。優秀なプロジェクトマネジャーとして、世界中からエキスパートを集め、的確にディレクションしながら、自身が思い描く世界を構築できること、それが未来創造力を持つ人材の要件になります。
重要なのは、未来を実現するための技術的理由を説明できること。どんな技術とどんな組織があれば、その世界にたどり着けるのか。夢に向けた動線とクリティカルパスを描ける人が、国際競争力のあるビジネスを生み出すことができるのです。技術が開発できないなら、調達すればいい。足りないリソースは、資金で補えばいい。その発想が、飛躍的にビジネスを大きくするうえでは不可欠です。
蓋然性のある経営判断に対して、投資家は背中を押してくれます。私たちは、未来創造力を持つ優秀な人材を、ふんだんにプールしたストラテジスト集団です。日本固有の競争力のある原石を発掘し、大胆な将来プランを描き、アグレッシブに調達する。綿密に設計された動線を、圧倒的な速さで確実にエグゼキューションする。こうして、日本のアイデンティティを国際競争力のあるビジネスに昇華させ、ジャパニーズ・ブリッツスケールを誕生させる。それが、Hedell Groupがこの時代に存在する意義となるのです。